新型コロナウイルスなどのワクチン接種に加えて、インフルエンザのワクチン接種のシーズンに入りました。ワクチンは安全な予防的治療ですが、薬剤が原因で起こる強烈なアレルギー発作(アナフィラキシー・ショック)が原因で亡くなる方は人口200万人に1人ぐらいあるそうです(アナフィラキシー・ガイドライン2022年)。
なすクリでのワクチン接種はインフルエンザ・新型コロナ・子宮頸がん・帯状疱疹など合わせても1年間でせいぜい2000人程度と思いますから、このような大きなトラブルに遭遇する可能性は高くないと考えています。
とはいえ、念のため当院ではワクチン接種の前にでるだけ以下の点を確認させていただいています。「ほかのクリニックではそんなことを訊かれたことがない」との苦情もあるのですが、正当な理由がありますので、ご容赦ください。
*体重*
アナフィラキシー・ショックが起こった場合には、緊急薬剤(アドレナリン)を体重に応じた量を使用しますが、緊急時には体重が確認できないこともあります。このため問診表の隅に体重を記載していただいています。
*β遮断薬使用歴*
「β遮断薬(ビソプロロール・メインテート・ビソノテープ、カルベジロール・アーチストなど)」を使用している方では、緊急薬剤(アドレナリン)に反応しないことがあります。この場合は別の薬剤を使用することがあります。
なお、薬物を原因としてアナフィラキシー・ショックが起こった場合、呼吸停止または心停止まで5分程度と言われており、院外で発症すると救命は困難です。このため当院では、ワクチン接種後は念のため15-30分程度、院内にて待機していただくようにお願いしておりますので、ご協力お願いいたします。